一般的なワイヤーの矯正は痛みが強いことで有名です。矯正を始めて数日間はご飯を食べられなかった」と言う人もいるほど。また、大人になればなるほど歯は位置が固定されていますので、動かすのが大変で、痛い傾向があります。痛みには、歯を大胆に動かすことによる痛みやワイヤーが口腔内を傷つける痛み、硬い物を噛む時の痛みなど3種類の痛み等があります。それに比べて、最近増えているマウスピースの矯正はどうなのでしょうか。
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目次
- マウスピース矯正は痛いのか?
- マウスピース矯正はどんな時期に痛みを感じるのか?
- どの程度の痛みなのか(我慢できない、ご飯食べられない?)
- 痛いときは外しても大丈夫?
- マウスピースを作るときに痛い思いはするのか?
- まとめ
マウスピース矯正は痛いのか?
マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正と比べると、痛みは少ないと言われています。比較するため、まずはワイヤー矯正についてご説明します。
ワイヤー矯正について
ワイヤー矯正とは、ブラケットを歯に装着し、それをワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。マウスピース矯正は施術できる症状などに制限がありますが、ワイヤー矯正はどんな歯並びにも対応しており、ひどく乱れた歯並びでも矯正が可能な反面、3種類の痛みが伴うとされています。
歯を動かす痛み:強い
ワイヤー矯正では歯を大胆に動かすため痛みが伴います。特に犬歯は歯根が長くて動かしづらいので、矯正装置をつけると痛みが強いのです。
装置が口腔内を傷つける痛み:強い
矯正器具と言っても、金属です。口の中に金属があるわけですから、歯茎や舌、頬の粘膜を傷つけることがあります。裏側(舌側)矯正の場合は、慣れないうちは、話す度に舌が金属に当たって、出血することもしばしば。動かす痛みだけでなく、金属による物理的な痛みもあるのです。
上下の歯が当たる時の痛み:強い
矯正中は歯が動きやすく、グラグラした状態です。そのため、上下の歯で思いっきり物を噛むと痛みを感じます。「硬い物を噛むのが辛い」という方も多いです。
マウスピース矯正はどんな時期に痛みを感じるのか?
上記のワイヤー矯正と比較しながら「マウスピース矯正の痛み」についてご説明します。
歯を動かす痛み:弱い
歯を動かすため痛みを伴いますが、ワイヤー矯正ほどの痛みはありません。その理由は、マウスピース矯正は動かす範囲が狭いためです。マウスピース矯正は歯型を2〜10週間に1回取り替えますので、1回あたりに動く範囲が0.25mm程に限られているのです。
装置が口腔内を傷つける痛み:無し
マウスピース矯正は薄いプラスチックの歯型を使いますので、それ自体の痛みはありません。装着してから数日間は話しづらさを感じますが、脳が「プラスチックも歯の一部」と認識するため慣れてきます。口の中を傷つける心配がないのは嬉しいですね。
上下の歯が当たる時の痛み:弱い
歯がグラグラしていますので、上下の歯が強く当たると痛みを感じます。しかし、動く範囲は狭めなので、ワイヤー矯正よりは痛みが少ないことが多いです。
上記のタイミングに加えて、マウスピースを着けかえた時に多少の痛みを感じます。マウスピース矯正は2〜10週間で新しい物にかえるので、その度に違和感を感じるのです。
どの程度の痛みなのか(我慢できない、ご飯食べられない?)
ワイヤー矯正の場合は「1週間ご飯が食べられなかった…」という人もいらっしゃいます。痛みや不慣れさから食べるのが難しかったり、食欲がわかなかったりするのです。しかし、マウスピース矯正には個人差がありますが、そこまでの痛みはありません。食事の際はマウスピースを外すので、マウスピースの存在を気にせずにご飯を食べることができます。硬い物を食べるのは辛いかもしれませんが、普通の食事であれば難なくこなせます。
痛いときは外しても大丈夫?
外すことはできますが、頻繁に外すと効果が薄くなります。着脱可能な点は、マウスピース矯正のメリットでもありデメリットでもあります。マウスピース矯正は、1日20時間以上つけることを目安としています。つまり、外しても良いのは1日4時間程度。食事で1回1時間、歯磨きで1回10分外すと、それだけでも3時間半外す計算になります。友人と外食に行った時にはより多くの時間をマウスピース無しで過ごすことになると思いますので、頻繁に着脱すべきではありません。
どうしても痛みが強い場合は、かかりつけの歯医者さんに相談しましょう。何か原因があるのかもしれませんし、マウスピースの形が合ってないかもしれません。自分勝手な判断は禁物です。
マウスピースを作るときに痛い思いはするのか?
歯型を取る素材を力強く押し付けられた時やそれを外す時に痛みを感じることがあります。健康な歯でしたら少し時間をおけば治るのですが、もともと悪い歯の場合は痛みが増すこともあります。あまりに痛い場合は我慢せずにかかりつけの歯医者さんへ相談しましょう。
まとめ
従来のワイヤー矯正と比較すると、痛みが少ないことが分かりました。理由は、素材がプラスチックでできていること、歯を動かす範囲が狭いことが挙げられます。「痛みが怖くて歯科矯正をためらっている…」という方は、ぜひ一度専門医に相談してみましょう。最初のカウンセリングは3,000円程度で受けられる所も多くあります。